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映画感想『ジュラシック・ワールド』

恐竜がSFじゃなくなった日

 

先日、話題の『ジュラシック・ワールド』を見てきました。

米オープニング興収歴代トップということでワクワクで映画観に乗り込んだのであります。

以下ネタバレを含む感想です。

 

ネタバレっていうかまぁこの映画に限っては見る前から大筋は誰でもわかりますよね。恐竜が逃げ出して暴れてなんとかする映画です。そうそれだけ!

 懐かしいBGMが流れて、恐竜がバシバシ逃げて人間を殺しまくるいう、観客期待通りのシーンでお腹いっぱいになれる感じの映画でした。

 

シリーズ作の第一作である『ジュラシック・パーク』と同じ世界観で描かれ、その22年後という設定の本作は、

ジュラシック・パーク』で登場するパークが現実のものとなって一般人がディズニーランドに行くように、恐竜がエンターテイメントとなっている時代が背景となっています。

このように書けばこの映画は一種の近未来SF作品と思われるかもですが、これはSF作品ではありません。少なくともそういう演出ではありませんでした。そのSFっぽさが抑えられててよかったなーと思ったことをつらつらと書いていきます(こういう映画は恐竜パニックを楽しむことが正しい鑑賞スタイルであって、ストーリー性とか細けえことはいいんだよな作品だと思いますが笑)

 

第一作の『ジュラシック・パーク』は紛れもないSF作品でした。地中深くに埋まった古代の蚊の体内に含まれていた恐竜の血液を採取し、そのDNA情報をもとに恐竜を復活させるというバイオテクノロジーのIFがお話の根底にありますので(まぁそれが実際可能なのかどうかはおいておいて)。

また『ジュラシック・パーク』では主人公が古生物学者ですし、恐竜を目の前にした博士たちの目の輝きはこちらも見ていてニヤニヤしてしまうほどのSOW(センス・オブ・ワンダー)でした。

これまで本や化石からしか触れられなかった古代生物が目の前に存在している。存在してしまっている。

そこでは存在が先行しているので、これまでのいくら権威ある学会の通説など意味をなさない瞬間を主人公は経験しているのです。

 

あ、恐竜ってこうやって鳴くんだ!集団で行動するんだ!恐竜はこんな賢いのか!

と。

 

恐竜が襲ってきて、キャー怖いなところも勿論見どころですがね。そこも含めて恐竜を体験するというSOWを描いているので立派なSF作品です。テクノロジーによって、時代を超えて地球を支配した2つの生物が対峙したらというIF。

 

しかし『ジュラシック・ワールド』はどうでしょう。

未来なお話でパークでは様々なテクノロジーを駆使されている描写はありますが、この映画のストーリーのテーマをあえて表現するなら『恐竜がエンターテイメントとして当たり前となった時代、あるいはその時代への変化そのもの』、でした。

 

この映画では恐竜を単なる見世物だけでなく戦争の道具として社会のために軍事利用するべきだとか、いやいや駄目だとか、その辺の倫理のお話がでてきており、テクノロジーの産物として復活させた恐竜を社会派なテーマへとシリーズを通して推移させています。

 

シリーズ作同様、この映画でも恐竜は逃げ出し暴れまくりますが、やはり背景が違うので受ける印象も違ってきます。前述したように、第一作ではそういう部分含め、恐竜という生物とのエンカウント体験として描かれてますが本作での演出は単なる災害・事故感が際立っています。

そこでは恐竜は思ったより知性があって手強い存在であるとかそういうのよりも、この災害をどう解決するかという人間側の解決力や運営力に力点が少し移動しているように思えます。

 (おいおい何千万ドルかけた商品を殺さないようにしようぜ!とか同じような声が現代のどこかの会社の会議から聞こえてきそうなセリフでしたね)

 

このように、映画の演出もあえてSF感は出さないように意図しているのかなと。

っていうかもしこの映画がSF映画として送り出したかったのなら、恐竜と心通わすオーウェンを主人公にしていなかったでしょう笑

インドミナス・レックスがラプトルとDNA的につながりがあってラプトルが寝返ったというこの映画の数少ないSFちっくな状況も、科学技術によって解決するのではなく、結局オーウェンとラプトルの絆が解決しちゃいましたし笑

  

言ってしまえば『ジュラシック・パーク』ではSFとなるために恐竜はちゃんと恐竜でないとマズイですが、『ジュラシック・ワールド』ではぶっちゃけ恐竜は恐竜でなくてもいいのです。

実際、今作の時代の人々は「もっと歯を」という心理で獰猛そうに見えるモンスターを望んでいるだけのようですので、学術的な、なんちゃらザウルスとして恐竜を見に来るのではなく、あくまでモンスターショーを見ているだけでしたし、インドミナス・レックスはもはや恐竜ではなくただのモンスターでした(恐竜がエンタメとして当たり前な存在となった時代ではもはや正確な恐竜には拘らなくなり、単純に強そうに見えるモンスターを望むようになるという人々の心理はいかにもありそうです笑)。

 

まぁSFの体はしていなかったのですが、恐竜を管理・運営するあたりやオーウェンがおこなっていたように恐竜が心通わす対象となっているあたりがどことなく無性に感慨深いんですよね笑

SF作品がSF作品でなくなったほどに現実も時間が推移しているのが感じられて笑

(ちなみにジュラシック・パークは93年公開なので22年前の作品で、

ジュラシック・ワールドはそのジュラシック・パークから22年後先のお話!)

 

このSFっぽさをあえてなくして現実ぽく描く感じがよかったなーと。

そういう意味ではシリーズの続編としてはまぁ王道的というか、ファンが喜ぶ良い展開な感じです。

昔に第一作で恐竜すげぇとか感動していたいたのを思い出して、懐かしくもあり、ちょっぴりもの悲しくなりましたが笑

 

あとラストの第一作のボス、我らがヒーローTREXと今作のハイブリッド遺伝子な新モンスターの激アツバトルの行方とか完全にギャグでした笑

 

おまえかよ、と笑

 

最後にまとめますと、コーラとポップコーン片手にデートする映画としてはなかなかいい感じの映画じゃないでしょうか(まとまってない)。